お便り紹介 5

今も配布されている紙の門松

一之貝物語
 昔の一之貝のお正月は、角松が御札でした。正確には、栃尾市の方針によるものだったと思いますが、華美になり過ぎない様にと、角松の絵柄が印刷された御札が年末に2枚配布され、玄関先に左右1枚づつ張られました。

 祖父の話で昔は、一之貝でもさいの神をやっていたそうですが、それに参加した子供が、家でそれを真似して火災が発生してしまいそれから取り止めになったそうです。隣の荷頃では、本格的にやっていて前日から、さいの神のかやの中に子供達が一晩泊まりました。それがうらやましくて友達と見に行きました。

 小正月頃、一之貝のお寺さんの檀家の子供が御年始のお手伝いをいたしました。お寺さんに集合して住職さんと同行し、「〇〇寺の年始~」と言って檀家さんの家々を回り御札を配ります。こんなかしこまったお手伝いなのに、結構子供が集まります、何故か!?その後にお楽しみがあるからでした。檀家さんの中にはお礼におやつや、みかんお年玉をくださるのです。ぐるりと村を隈無くまわってお寺さんに帰ると、カレーライスが用意してあります。囲炉裏に掛かった熱々のカレーは、冷え切った身体にシミる美味しさでした。(お肉が入っていなくて代わりにお魚のソーセージが入っていたと思います)先程檀家さんから頂いたおやつや果物、そしてお年玉をみんなで分け合います。身も懐も暖かくなり雪道を歩き回った疲れも吹き飛びます!?。

 その後節分前に「たくはつ」があります。これは檀家さんの家々を回りお米を頂いてきます。住職が、食べるのでは無く赤、白、緑の三色団子を檀家さんが集まって作ります。節分頃だと思いますが、二軒のお寺さんが同じ日に、時間をずらして「団子まき」が行われました。もちろん子供達は、両寺共団子を拾いに行きます。お寺さんと檀家さんの代表の方が撒きます。普段は、静かなお寺さんに「こっちも投げて~!!」と歓声が響きます。その後、お米を半合、一合等まとめて収めた家には頂いた分量により、団子が入れられた紙袋が用意されて檀家さんに配られました。団子は、家でお供えしてから茹でて、砂糖をかけたり、みたらし団子にしで頂きました。祖父は、猟に行く時に、団子を持参しました。何でも三色団子を持って山に入ると蛇に会わない(蝮に噛まれない)と謂われがあるそうです。すっぽりと雪に埋もれた村の楽しみの一つでした。